トイレの詰まりを解消する方法がインターネット上に書かれているのを見かけることがあります。
読んでいると「なるほど!」と関心するものや,「これは・・・」と絶句するほどウソっぽい内容や、業者が個人のフリをして書き込んでいると思われる書き込みまで様々なものを目にします。
今回はお客様に尋ねられることもある「お湯でトイレ詰まりは直せるのか?」「トイレットペーパーはお湯で柔らかかくなるのか?」の実験をしてみました。
ある日の午後3時すぎに実験開始
(1)トイレットペーパーを揃えて同じ長さにしたものをそれぞれ同じ形のグラスに入れ、
一方には水道水を、もう一方には60度か70度位のお湯を同量入れました。
(2)30分後に見るとお湯を入れたグラスのみトイレットペーパーの透明度が増していました。
(3)開始から2時間20分後にお湯のグラスを再度お湯に入れ替え、その時にペーパーの固さを確認しました。お湯に入れたペーパーの方は柔らかくなっています。
(4)お湯の入れ替えから1時間強ほど待ってペーパーを取り出して再チェックをしました。お湯に入れたペーパーも水に入れたペーパーも溶けているとは言い難い状態ですが、お湯の方は1時間前と同じ状態ながら水に入れたペーパーに比べて明らかに柔らかい。しかし、とても柔らかくなったいうレベルではなく、少し柔らかくなったレベルでした。
(結果)トイレットペーパーは60度程度のお湯に入れると水分の浸透性が増して少し柔らかくなる。その柔らかさは2時間経過時と3時間経過時とでは大差はない。
お湯に入れたトイレットペーパーの時系列状態を知りたいと思ったのにはキッカケがありました。
ネット上でお湯でトイレ詰まりが解消されたという複数の書き込みを見るようになり、実際にそれを試してみたのですが2回を試して2回とも失敗に終わったのです。
更に、トイレ詰まり解消のご依頼を頂いて出向いた先でお話しするお客様の中に「ネットで見て一日中かけて何度もお湯を入れてみたけど詰まりが直らなかった」や、「書いてあったのでお湯でやってみたけどダメで業者に頼もうと思って電話した」というネット上でご覧になったお湯でトイレ詰まりが解消する方法を試したが失敗したという例が急増したため、お湯に入れたトイレットパーパーの状態が気になり始めたのです。
今回のテストをする以前は100回試して1回くらい成功するかどうかの確率なのかも知れないと思っていましたが、お湯に入れたトイレットペーパーが溶けないまでも少し柔らかくなったので100回に1回の成功確率ではなく、軽度のトイレ詰まりでトイレットペーパー詰まりであればもう少し成功する確率が上がるのかも知れないと感じました。
※除菌液や掃除用の液体を詰ったトイレに入れたら詰まりが解消したといったネット上の書き込みを見て実際に試してみましたが、こちらは全く効果なくテストを終えました。
※熱湯を便器に入れると便器が割れることがあるため注意が必要です。